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難易度選択について  


Twitterで難易度選択についてのお話が流れてきて気になってアンケートを取った結果、このようになりました。


いつでも難易度変更可能が人気。とはいえ実際にいつでも難易度変更できるゲームは意外と少ないように感じます。
実際のところ難易度選択ってどうなんでしょうか。少し考察してみました。


■難易度選択なしの利点
・作者が想定したままの難易度でプレイして貰える
・難しいボスやイベントを苦労してクリアした際のカタルシスが大きい
・バランス調整の工程が少ない


ゲームの難易度に緩急があるのは一概に悪いと言えないと思います。
比較的簡単なところ、難しいところがあるからこそ難所を突破したときの喜びは大きいと言えますし、ずっと平坦だと印象に残るところが少ないとも言えます。
難易度選択なしの場合いくら難しくてもその難易度で突破するしかないので、クリア時の達成感も大きい一方、難しくて嫌になる可能性も高いです。

■難易度選択なしの欠点
・プレイヤーの望む難易度に合わない可能性が高まる
・最後までプレイして貰えない可能性が高まる
・バランス調整をより慎重に行う必要がある


万人にとって丁度良い難易度は存在しません。一つの作品を取ってみても、難しいと言う人もいれば簡単だと言う人もいます。
ストーリー重視の場合など最後までプレイして貰うことに重きを置いている場合はプレイヤーに投げられるリスクが高まることがよりマイナスだと考えられます。逆に戦闘重視の場合に極端な難易度変更が出来てしまうと戦闘の良さが失われる可能性があります。
バランス調整の工程自体は少ないですが、難易度選択は言い換えればプレイヤーに調整してもらえるとも言えますし、それが出来ない以上より綿密なバランス調整が求められます。


■最初に難易度選択ありの利点
・プレイスタイルに沿った難易度を選んで貰える
・二周目以降のゲームを一周目とは違ったテイストで楽しめる
・難しい部分だけ難易度変更するなどの少し狡い方法が使えない


ゲーム自体が苦手な人、マゾいゲームが好きな人などプレイスタイルに合わせられるのが一番の利点です。また、難易度変更出来る場合は周回プレイがより楽しめるとも考えられます。
いつでも難易度変更できるシステムに比べると、突破に際する強制力は高いのでクリア時の達成感は高いです。

■最初に難易度選択ありの欠点
・HARDを選んだ場合のメリットの付け方が難しい
・差を付けない場合、HARDを選ぶ意味がなくなってしまう
・結局はやってみないとどの難易度が自分に一番適しているか分からない
・クリア後のやり込み要素との相性が少し悪い


一番苦労するのは難易度変更時のメリットとデメリットの調整だと思います。よくHARDの場合は経験値やドロップ率が多いという作品がありますが、そうなるとEASYが選びにくくなってしまいます。そうでなくてもHARD限定アイテムや限定イベントなどがある場合もやはりEASYは選び辛いでしょう。
個人的には本当に小さな演出や台詞などの違いが好きです。効果のないトロフィーとかも丁度良いように感じます。一周が短かったり引き継ぎシステムがあるなど、周回プレイの敷居が低い場合は大きな差を付けても問題ないかもしれません。
また、結局はやってみないとどの難易度がベストなのか分からないので、始めてからこの難易度にするんじゃなかった…となる可能性もあります。そのため各難易度に対するプレイヤーのイメージから大きくズレないようにする必要がありバランス調整は案外難しいと考えられます。


■いつでも難易度変更可能の利点
・プレイヤーの好みに沿った難易度を選んで貰える
・難しくて投げ出される可能性が低い
・バランス調整が比較的容易


最初に難易度選択式ではあくまでプレイスタイルに沿った難易度でしたが、今回は完全に好みに沿った難易度を選んで貰えるというのが大きな利点です。とりあえずNORMALでプレイしてみて、難しいと感じたらEASYに、簡単に感じたらHARDにするなど応用が利きやすいからです。プレイヤー側で難易度の調整がしやすい分、作者側のバランス調整にはある程度の許容ができます。

■いつでも難易度変更可能の欠点
・メリット、デメリットの付け方がより難しい
・難しい場面に遭遇したとき、解法を探るのではなく難易度を下げることで解決されてしまう
・一度簡単な方に変えた場合、後で難しい方に戻すことが億劫


HARDを選んだ際のメリットに関してはより難しくなります。いつでも難易度変更できるとなると必然的に各戦闘毎の報酬に差をつけることになりますが、先述のように経験値やドロップ率は変え辛く非常に難儀です。
クリア時にどの難易度で一番プレイしてたかで判定する手などもありますが、窮屈に感じてしまう可能性があります。
結局は殆ど差を付けないという形に落ち着くことが多いように思います。そうなると今度は強敵に遭遇した際、頑張って解法を探るよりも難易度を下げた方が早いという事態に陥ってしまいます。


色々と考察してみましたが、どの手法も一長一短で一概にこれが良いとは言えないことが分かったのではないでしょうか。商用ゲームでも難易度選択に関しては多種多様な現状ですし当たり前のことかもしれません。
結局のところ自作品でどこを重視するかが一番のポイントかと思います。戦闘重視で想定した難易度でプレイしてほしいなら難易度固定、ストーリーや画像音声重視で戦闘はその賑やかしだとしたらいつでも変更可、周回プレイ前提の調整だとしたら最初に難易度選択、などという風に意図に沿ったシステムにすることがベストだと考えられます。

HARDのメリットに関しては色々と考えられますが、周回プレイを見据えていないのなら NORMALでは物足りないという人だけが選ぶような仕様で問題ないと思います。AIパターンが変わったり会話が少し変わったり。Twitterではボスがカットイン技を使ったりエンディングでHARDクリアであることを明記するなどの例が挙がっていましたが素晴らしいアイディアだと思います。

私はとにかく難易度調整が苦手ですし、こういった話は意識していかないといけません。とはいえ現状難易度選択に関しては入れるとしてもクリア後に少し難しいモードを選べるくらいで良いかなと考えています。


category: 考察

tb: --   コメント: 2

コメント

初めまして。今更ですがコメントさせていただきます。

ツクールmv では難易度変更プラグインの普及もあって、いつでも変更可能なゲームが多い印象がありますね。
私としては、高難易度だからといって特にメリットを用意する必要はないと思っています。
厳しい難易度を選ぶのは主にそのゲームのファンで、彼らはそうしなければ気が済まない人でもあります。
 ・何周も遊ぶような人には高難易度でギリギリのプレイを楽しませる。
 ・その他のプレイヤーには程よく簡単な難易度でストーリーなどに集中させる。
この辺りが万人受けするんじゃないかな、と思いました。

※追記
難しくて投げるのはプレイヤーとしても残念なことです。
ライトゲーマーが長編ゲームに手を出しにくい理由の1つだと思います。
作者の方には攻略情報の公開も検討していただけると嬉しいです。
攻略情報の有無でゲームを遊ぶかどうか決める人は(私の周りでは)多いです。
(馬鹿でもクリアできる難易度の用意とか、公式チートとか、他にもやり方はあると思います)

匿名希望 #JalddpaA | URL
2017/02/08 14:59 | edit

はじめまして!
なるほど、高難易度だからといってメリットが必要なわけじゃない、確かにそうですね
参考になるご意見ありがとうございます!

作者自ら攻略情報を載せていることって少ないように感じますね
どうしても自分では自作品の難しさを把握しにくかったり、自分で攻略情報を書いてしまうのは躊躇われるというパターンもあるのかもしれません

ポルゼンヌ小林 #- | URL
2017/02/09 07:10 | edit

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